レーザー近視手術徹底比較
近視手術の現在の問題

当サイトは、近視手術を肯定的に書いています。

しかし現状は、問題点も無い訳ではありません。

ここでは、問題点や注意点をまとめてみました。


  • 手術の安全性、矯正効果が完璧ではなく、弊害もあること
    •  近視手術は、かなり安全な手術ではありますが、まだ多少のリスクがあります。失明の心配は全くと言っていいほどありません(飛行機に乗るより安全です)が、手術失敗に属するもので、視力が大きく悪化するようなトラブルについては、飛行機事故より幾分大きい程度のリスクがあります。
    •  また、手術失敗といえないまでも、視力が十分に出ない(例えば0.8くらいまでしか出ない)などの事例は、もう少し多いようです。また、夜間だけ、ハロ、グレア、ヘイズなどが残る場合もあり、見え味が悪くなります。普通は、夜、瞳孔が大きく開いた場合にだけ発生するものであり、そういう状況ではハロが出るような明るいものはありません(明るいものがあったら瞳孔が小さくなってハロがなくなります)ので、多くの人にとって実害はありません。しかし、天文ファンにとっては、これは大きなデメリットです。
    •  さらに、一時的なドライアイなど、多くの人に発生する弊害もあります。発生の多いものは、問題の程度は軽いのですが、ドライアイなどは快適性を損ないますので、できれば避ける方法を確立してほしいものです。
    •  将来、これらの問題は、解決、あるいは軽減されるかもしれません。今よりも将来の方が、確実に技術は向上するでしょう。この点、電気製品なども同じですが、それと違うのは、後で良いものが出現しても買い換えが出来ないことです。
    •  一方、手術を先に延ばすことによって発生するリスクも、存在します。特にコンタクトレンズを利用している場合は、リスクを気にするなら、直ちに手術するべきです。迷うべきは、眼鏡の人のみです。
    •  なお、手術失敗を心配するのにあたって過去の事例を参考にする場合、近視手術の黎明期に発生したものは別にするべきです。黎明期に発生した事例でも、今はもうほとんど心配がないものが多いです。しかし、情報が不足で、確認できませんでした。事例を検索すると、古いものが多く見つかるのですが、その理由は、最近は事例が少ないためなのか、最近の事例はまだ載っていないだけなのか(例えば裁判ならまだ判決が出ていないなど)、私には区別できません。


  • 手術方式の評価などが定まらず、クリニック同士で足の引っ張り合いをしていること
    •  代表的なのが、イントラレーシックについてです。イントラが良いか、普通の(マイクロケラトームを使った)レーシックが良いか、意見が分かれています。また、レーシックとPRK(特にスーパーPRK)についても、似たような見解の相違が見られます。他にも、ラゼックの評価、PRKでのハロやグレアの発生頻度など、各所に、見解の差が見られます。
    •  意見が分かれるのは良いとして(それが科学を進歩させます)、イントラやスーパーPRKについては、お互いに「こちらの方が優れている」というデータを出していることが、最も問題です。おそらく、どちらも本当の(ねつ造ではない)データであり、サンプルの偏り、データ取得時期などによって差が生じるのでしょう。しかし、偏ったデータや、古いデータをいつまでも使うのは、真実とはいえません。
    •  また、自分の意見を主張するために、相手の技術の悪くない部分まで妙な理由を付けて攻撃することも、当たり前のように行われています。前述の、自分に都合の良い古いデータをいつまでも使っていることと合わせ、「自分の技術は全ての点において相手より勝っている」という解説ばかりが世に出回っています。本来、どちらの技術にも、良い部分と悪い部分があって、その比較検討をするべきです。科学に疎い人は、1冊だけ本を読むと、自分が読んだ本だけが正しい(その本で良いと書かれている技術だけが優れている)ように思うでしょう。2冊読むと、混乱します。このように、クリニックが(あるいは医師が)お互いに足の引っ張り合いをしている状況では、患者は混乱し、近視手術を敬遠する人すら出てきそうです。お互いにもっと協力し、まっとうな議論をしたうえで、近視手術を受ける人の数を増やして業界全体を潤すこと、そして勿論、手術を受けた人を幸せにすることを、考えてほしいものです。
    •  なお、自クリニックの技術を勧めるのは、必ずしも自クリニックに来て欲しいからという訳ではなく、実感したところでは、そもそも「そう思っているからこそ、自クリニックではその技術を採用している」という面が大きいです。その点は、責めるべきことではありません。問題は、自社の技術を誉める点にあるのではなく、公平なデータを出さない点、まっとうな議論をしない点にあります。
    •  比較的まっとうな議論をしているクリニックもあります。例えば、神戸クリニックの「イントラレーシックに対する見解」は、比較的冷静な感じがします。イントラレーシック否定派ではなく、慎重派という感じですね。こういう姿勢が、増えてほしいものです。
    •  これから1〜2年くらい経つと、業界構造の変化は無理かもしれませんが、データがもう少し出揃うことにより、状況が整理されてくるかもしれません。


  • 手術料が値下げの過渡期 (待った方が得か?)
    •  ここ1〜2年で、ずいぶん安くなりました。現在も、キャンペーンなどの形で、実質的に下がりつつあります。品川クリニックの思い切った価格設定が、値引き競争に火を付けたようで、品川の姿勢は高く評価したいと思います。
    •  しかし、まだ、サラリーマンにとっては高価な手術です。品川のような最安値クラスの価格はもうあまり変わらないかもしれませんが(ただし、もっと安いところはありますし、他が追随すればもう少し下げてくる可能性はあるでしょうか)、中〜上の値段の所は、近いうちに下げてくることが期待されます。例えば神戸や参宮橋は、期間限定でキャンペーンをやっています。こうしたキャンペーンが頻発、常態化し、結果として値下げになるものと思われます。なお、品川の19万8千円も、正確にはキャンペーン価格ですが、キャンペーンが終了する気配はなく、キャンペーンが常態化したものといえそうです。
    •  という訳で、手術料については、今は過渡期です。「問題点」というべきではないかもしれませんが、「今すぐ手術を受けましょう」と勧めるには、やや後ろ髪を引かれます。
    •  その意味では、既に20万円を切っている品川や、キャンペーンにうまく乗るとそれに極めて近い値段になる神戸では、今すぐ手術を受けても後悔が少ないのかもしれません。
    •  因みに、既に手術を受けた人に聞くと、50万円くらい払っているのですが、早く手術を受けたこと(値下げのメリットを享受できなかったこと)を後悔している様子は、全くありません。むしろ、多少高くても、「少しでも早く鋭眼を入手できて良かった」と言っています。


  • ウェーブフロントを使うと、角膜の切除量が多くなる (問題とはいえないかも)
    •  ウェーブフロントは、究極の視力を目指したり、夜間の見え味を追求する人には、優れた技術です。
    •  しかし、ウェーブフロントを使うと、角膜(中心部)の切除量が多くなるという弊害があります。これは、強度近視の人(私)にとっては、とても痛い弊害です。角膜の厚さに余裕のある人でも、自分の角膜は、1ミクロンでも多く残しておくべきでしょう。
    •  ウェーブフロントと切除量は、直感的には関係なさそうな気がします。もしかしたら、ウェーブフロント技術が発展過程にあるためなのかもしれません。そうではないかもしれません。
    •  もし仮に、ウェーブフロント技術の進歩により角膜切除量に影響しないようになれば、それはメリットです。逆にいうと、現在は、デメリットがあると言えます。何度も言うようですが、そうではないのかもしれませんが。
    •  なお、ウェーブフロントについては、検査するメッシュが粗いなど、発展途上であることを示唆する情報が他にもあります。今後の進歩に期待したいと思います。
    •  余談ですが(クリニック選びの所に書く情報です)、ウェーブフロント機器はほとんどのクリニックで導入されていますが、これを使うと有料の(料金が上がる)クリニックと、無料のクリニックがあります。無料の例としては、品川、神戸などがあります。せっかく機器があるのでしたら、使っても減るものではありませんので、ケチなことを言わず、使わせて欲しいですね。それとも、使うと減るんでしょうか?まさか電気代の心配?


  • 瞳孔径測定の方法が天文ファン向きでない (実害があるのは天文ファンのみ)
    •  手術前の適応検査で、必ず夜間の瞳孔径を測定します。しかし、暗順応させる時間は、1〜2分程度しか取りません。
    •  普通の人には、これは正しい方法です。夜道を歩く時などは、街灯など明るいものが周囲にありますので、長時間夜道を歩いても、1分間の順応で開く瞳孔径以上に瞳孔が開くことは、まずありません。夜間に部屋の電気を消していると、瞳孔は大きく開きますが、真っ暗ならハロは出ませんし、ハロが出るような明るい電気を付けたら瞳孔が瞬時に小さくなってしまいます。
    •  私の場合、この方法での測定結果は、5.5〜6.0mmでした(クリニックにより多少測定値が違いますが、順応時間の差から来るものでしょう)。そして普通は、この口径を概ねカバーするように、レーザー照射を行います。
    •  しかし、天文ファンは、街灯などを避け、暗い場所を選んで、長時間の天体観測を行います。このため、上記測定による瞳孔径よりも、もっと大きく開きます。私の場合は、7.2mmくらいです(自分で測定し、しかも1回しか測定していませんので、誤差が大きいかもしれません。因みに、ここまで瞳孔が開くのに、18分かかりました)。しかし、このデータは、クリニックでは測定しません。このため、レーザー照射した部分よりも大きく瞳孔が開く可能性があります。私が今回、最も気にした部分です。
    •  レーザー照射口径を大きくすると、角膜中心部の切除量が、口径の2乗にほぼ比例して深くなります。このため、現実には、7mm前後という広い範囲に照射するのは、強度近視では難しいかもしれません。また、クリニックによっては(レーザーの機種から来る制限?)照射範囲は最大6.5mmというところもあります(例えば品川)。スーパーPRK(参宮橋)ではこれを広く出来ると説明されていて、調査中です。
    •  既に手術を受けた天文ファンによると、この問題によって、さほど大きな影響は発生していないようです。しかし、全てを納得して手術を受けるのと、知らずに受けるのとでは、ずいぶん違います。天文ファンは、もしできれば、自分の完全暗順応状態での瞳孔径を測定したいところです。少なくとも、コンサルテーションにおいて、良く相談するべきでしょう。
    •  なお、照射範囲と一口に言いましたが、照射範囲には、オプティカルゾーン(網膜に達する光を通すエリア)と、トランジションゾーン(その周囲の境界を、照射範囲外とスムーズに繋ぐためのエリア)があります。照射径が何mmという場合、オプティカルゾーンだけなのか、トランジションゾーンを含むのか、トランジションゾーンの大きさや形はどうかなどを把握しておかないと、正確な比較ができません。神戸クリニックの例では、照射径を7mmにした場合(これは自由に設定できます)、ウェーブフロントなしではオプティカルゾーンが6mm(その外側がトランジションゾーン)になりますが、ウェーブフロントを使うと、コンピューターが最適計算するため、これとは違う値になることもあるそうです(実際にどんな値になるかは、角膜形状の精密測定をしてからでないとわかりません・・・精密測定は、コンタクトを一定期間外してから行う必要がありますので、現在私は眼鏡生活中です)。


  • 老眼が目立つ (これは問題ではなく注意点です)
    •  近視手術を受けると、老眼が目立つようになります(概ね40才以上)。これは、老眼になりやすい訳では決してなく、老眼になった時の影響がはっきりとわかるようになるだけですが、それを承知しておく必要があります。
    •  そもそも近視の人は、眼鏡やコンタクトを外せば、近くが見えます。コンタクトの人は簡単には外せないかもしれませんが、眼鏡は簡単に外せます。そのため、日常生活において、近くを見る時に眼鏡を外すという選択肢があり、結果的に「見えなくて困った」という経験が少なくなります。しかし、近視手術をしてしまうと、外すことが不可能になり、結果的に「見えなくて困った」という経験が多くなります。このため、「近視手術を受けたら老眼で困った」という誤った推測に結びつきます。
    •  もう一つ、コンタクトや眼鏡は(特に眼鏡の場合)、完全矯正しないのが普通です。眼鏡で1.5が見える人いますか?あまりいないと思います。それは、眼鏡は完全矯正すると度が進みやすいため、弱めに作るからです(コンタクトの場合、さほど度が進んでしまう効果がありませんので、完全矯正しているかもしれません)。そして、度の弱い(不完全矯正の)眼鏡は、その分、近くが見やすいです。しかし、近視手術を受けると、たいていは完全矯正します。中高年患者の場合には老眼の影響を避けるために完全矯正しない場合もありますが、40才になる前に手術を受けたら、たいていは、完全矯正されていることでしょう。その人が老眼になると、完全矯正されているため、不完全矯正の眼鏡の人よりも、近くが見づらいのは当たり前です。自分一人では比較できないので気付かないかもしれませんが、同じ年の友人(眼鏡愛用者)と一緒に小さい字を読むと「おまえはこれが読めないのか、もう老眼だなぁ」という話になりがちです。不完全矯正の眼鏡と、完全矯正の近視手術では、近くを見る勝負は、近視手術が不利です。これも、「近視手術を受けたら老眼になった」という誤った推測につながります。因みに、もし友人と勝負になったら、遠くを見る勝負をしましょう。これは、有利という程度ではなく、圧勝するはずです。


  • 白内障手術とコストパフォーマンス (問題ではなく注意点、中高年のみ)
    •  コンタクトレンズのコストを大きな理由として近視手術を受ける場合、中高年(概ね45才以上)の方は、注意が必要です。中高年の方は、「先が短い」というと縁起でもありませんが(^^;)、白内障になるまでの平均期間が比較的短いとは言えます。
    •  白内障になると、水晶体を交換する手術を受けるのが普通です。その際、目に挿入する水晶体の厚さを自由にコントロールできますので、近視を一緒に治してしまうのが普通です。つまり、もし仮に5年後に白内障になる場合、近視手術をしていなくても5年後に近視が治りますので、コンタクト代を節約できる期間は5年間だけなのです。
    •  自分が何年後に白内障になるかは、予測できません。20年後なら、元が取れるかもしれません。またそもそも、白内障にならない人だって、たくさんいます(というか、白内障にならないのが普通かも?)。しかしながら、将来白内障になった時に「なんだ、そうだったのか、近視手術をして損した」と思わないように、そういう知識を持っておくべきでしょう。
    •  因みに私は、仮に5年後に白内障になるならば、なおさらのこと、それまでの5年間を少しでも良い視力で過ごしたいです。